「死後事務委任契約」という契約はご存じでしょうか?
「死後事務委任契約」という言葉を聞いたことはあるが、実際にはどんな内容の契約なのかは分からないという方が多いのではないでしょうか?
ここ数年で急激に注目されてきていますが、これからの時代に必要な方が急増すると言われているからなんです。
特に「おひとりさまの終活」には欠かせない内容になります。
なぜ注目されているのか? なぜ必要なのか? どんなメリットがあるのか? その秘密に迫ります。
【死後事務委任契約とは】
文字通り、「死亡後の全ての事務委任をする契約」になりますが、生前のうちに契約をする必要があります。
死亡後の事務委任と言いましても、沢山のやらなければならないことがあります。
・死亡直後の緊急対応・・・病院・施設に駆付け死亡診断書の受取をし、ご遺体の搬送手配や荷物の引上げ等を行います。
・葬儀・・・火葬許可を取得し、生前の希望に沿った形での葬儀を執行します。
・収骨・納骨・・・生前の希望に沿った形で収骨・納骨を行い供養をいたします。
・行政手続・・・健康保険証・介護保険証・障害者手帳・実印登録証等の資格喪失・返納手続を行います。
・遺品整理・・・賃貸借契約に基づき遺品整理を行います。
・賃貸物件の解約・・・賃貸借契約に基づき契約解除を行います。
・光熱費の清算・解約・・・電気・ガス・水道の清算・解約を行います。
・入院費・入居費清算・・・病院や介護施設等の未払金の清算を行います。
・他各種清算・解約・・・新聞・NHK・クレジットカード・インターネット・携帯電話等の清算・解約を行います。
・死亡の通知・・・生前の希望通りに知人・友人への死亡の通知をいたします。
・金融機関・保険関係の手続・・・金融機関や生命保険の手続を行います。
・遺言執行・・・遺言書の内容に従い相続手続を行います。
・その他・・・生前からの希望があれば可能な限り代行いたします。
今すぐ記せるだけでも上記のような死後事務が必要になってくるのです。
これらの事務を誰かに委任しておく契約が「死後事務委任契約」なのです。
【なぜ注目されているのか】
未婚率の増加や、核家族化の影響から単独世帯の人口が年々増加しており、2040年には単独世帯割合は40%に達すると予測されています。
特に65歳以上の単独世帯の増加が顕著になっています。
完全な「おひとりさま」だけでなく、お子様がいない夫婦・親族と疎遠または亀裂がある・親族が高齢なので頼れない等の方も多くなります。
そんな時代だからこそ、可能な限り住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、万が一に備えた安心に繋がる契約が注目されているのです。
【なぜ必要なのか】
完全に身寄りのない「おひとりさま」や親族と疎遠な独居の方が死亡した場合、行政で親族関係を確認するのに1カ月ほど掛かったりします。その間、火葬許可を取得することは出来ません。
火葬が出来ない間は葬儀会社の冷蔵庫に保管されていることになります。やっと親族が見付かったとしても、疎遠である・会ったことが無い・そこまでの義理が無い等を理由に、火葬・葬儀
の対応をしていただけないなんてことも当たり前のようにあるのです。もしそうなったら、いったい誰が火葬を行ってくれるのでしょう。他にもやるべき死後事務が沢山あるというのに、誰が
最後まで責任を持って対応してくれるのでしょう。これが現実なのです。
「おひとりさまの終活」「親族と疎遠な独居のかたの終活」には特に必要となってくるのです。
【どんなメリットがあるのか】
一番のメリットは、「いざというときに頼れる人」の存在ができますから、「後のことは心配ない」という安心感が得られることではないでしょうか。
もし不安や不便を抱えていらっしゃる方であれば、解放され安心して生活を送っていただけると思います。
自分のことは自分で決められますから、親族や周囲の人に迷惑をかけることも無くなります。
そういった安心感があるからこそ、明るく前向きな気持ちでシルバーライフを楽しんでいただけるのではないでしょうか。
ここに書いたことが全てではありませんが、「死後事務委任契約」とはどんなモノなのか、イメージを持っていただけたのであれば嬉しいです。
シオン終活支援協会では、「不安を安心に変える」そんな終活支援を提供していきます。
掲載者:青木秀高